開催日時
2022年12月1日(木)〜 12月25日(日)
10:30〜18:00
毎週月曜日はお休み
開催会場
・ヨコスカアートセンター
・上町深田町内会館
・大津諏訪神社
入場料・チケット
・入場チケット + VRアートパフォーマンス視聴
一般 1600円 学生 1200円(大学生まで、小学生以下無料)
・入場チケット
一般 400円 学生 200円(大学生まで、小学生以下無料)
伝承方法の可能性、VRアートパフォーマンス“祀りごと”

美術家・石原延啓が神奈川県横須賀市に滞在し、横須賀市にまつわる伝統行事や地域・地形を歴史性・民俗性の観点から独自の目線で調査し制作を行いました。そして人々の生活に根づいてきた祭りや風習の本質を改めて考え直し、それらをもとに全く新しいかたちで伝承させていく可能性を探りながら制作された作品を展覧会「石原延啓 横須賀異界巡り ― deer man 祀りごと―」で展示します。これまでの石原は「滞在してリサーチすることでそれぞれの土地に眠る記憶にシンクロし、呼び覚ます」ことを制作の源にしてきました。今回も人類学的な視点から物語を紡いでその中を渡り歩く“DEER MAN”というキャラクター使いながらペインティング、ドローイング、インスタレーションなどの作品を展示します。そして、本展覧会では「大切な人を送る」という重要な儀式をアートパフォーマンスとして執り行います。このアートパフォーマンスの儀式はVRを用いて「VRアートパフォーマンス “祀りごと”」として配信します。VRを用いることで観賞者はその場で儀式に参列しているような臨場感味わうことになり、本作品は儀式の新たな伝承方法の可能性を提示することになります。また、この技術を伝統行事の保存などに役立ることで、伝統行事を起点に人と人が繋がり、行動を起こすという循環を促進させ、今まで行われてきた伝承という尊い行為をより良く変化させる機運となることを目指します。そしてこの活動が地域における次の文化芸術の担い手、伝統行事を享受する次世代の人材の育成に繋がることを願っています。
石原延啓 Nobuhiro Ishihara

2022年3月、父を追うようにして1ヶ月後に母が亡くなった際、ご縁あって神奈川県横須賀市で「地域滞在型の制作でVRを使った全く新しい試みの展覧会」が実現した。テーマは「新しい祀りごと」にするという。私は「大切な人の魂を送る」という極めて個人的な儀式がじつは全人類共通の普遍性を持つのではないかと思い、鑑賞者がVR空間に入って横須賀独特の谷戸(車が入れない高台にある集落)を歩いているうちに異界に迷い込み、ヤマトタケルと弟橘媛(父が愛した英雄譚、弟橘媛は横須賀市の走水で人身御供になることでヤマトタケルを助ける)、石田少尉と夫人(日中戦争で戦死した私の祖父と祖母、横須賀出身)、作家Iと妻(私の父母)の3組のカップルの物語に触れるという構造を思いついた。少し能楽を意識していて、私が長年表現に使っているdeer man(彼岸と此岸を境界を行き来する案内人)がワキとシテを足した様な役割を演じて既に異界へと転じた3つのカップルと出会うような表現を試みた。
略歴・活動歴
1966年生まれ。神奈川県逗子市出身慶應義塾大学経済学部、スクールオブビジュアルアーツファインアート科(アメリカ)を卒業。アーティストとして国内外で数々の個展、グループ展、アーティストインレジデンスに参加し、リサーチベースの作品も制作するなど幅広く活動、アートプロジェクトのマネジメントも行う。石原は、私たちの存在が多層的な世界の上に成立っていると仮定し、過去の記憶や出来事が幾重ものレイヤーとして重なり合う現代の都市の深層を探るパイロットとして「鹿男–deer man-」というキャラクターを創り、deer manが目にしたモノやコトを作品に表してきました。deer manは石原が奈良のお水取りの儀式を観に行った際、夜中に眼を光らせて野性のままに徘徊し、神聖な領域と現実を行き来するかに見える鹿たちと出会った衝撃から生まれたという。自然と文明、動物と人間、様々な時間の流れや時空を超えた媒介者として世界各地の神話や民話に登場する鹿。その鹿と人間が合体した存在としてのdeer man-鹿男(女)は、様々な階層を興味の赴くままに駆け回り、掘り起こし、新しいイメージを作りあげてきました。
2014年「DEERMAN ODYSSEIA」(東京、nca I nichido contemporary art)
2013年「VAIVÉM」(サンパウロ、ブラジル)
2013年「ミコノスビエンナーレ2013」(ミコノス島、ギリシャ)
2012年「越後妻有アートトリエンナーレ2012」(越後妻有、新潟)
2010年「Island」(Gyeonggi Creation Center、韓国)
2010年「Connecting」(Incheon Art Platform、韓国)
2010年「HOLZBAUEN(木の家)」( f.e.a – forum experimentelle architektur、ウィーン、オーストリア)
2009年「deer man」(東京、nca I nichido contemporary art)
2008年「Nobuhiro Ishihara」(ニューヨーク、アメリカ、I-20 Gallery)
展覧会会場・アクセス
本展では3会場ヨコスカアートセンター(展示会場展示会場・チケットセンター)、上町深田町内会館(VRアートパフォーマンス体験会場)、大津諏訪神社(展示会場)で展覧会を開催しております。
本展観覧にあたり、入場チケットをお買い求めいただきます。またはオンラインでお買い求めていただき、入場チケットとお引き換えいただきます。
入場チケットはヨコスカアートセンターでのみ販売・引き換えをしておりますので、本展のご観覧の際はまずヨコスカアートセンターにお越しください。VRアートパフォーマンスを予約された方のご案内もヨコスカアートセンターで行います。
神奈川県横須賀市上町2 – 3 – 11
・京急本線「横須賀中央駅」より徒歩10分
・JR「横須賀駅」より京浜急行バス「文化会館前」下車 徒歩1分
・お車でお越しの際は近隣有料駐車場か横須賀市文化会館駐車場
神奈川県横須賀市上町1 – 45
・ヨコスカアートセンターより徒歩4分
神奈川県横須賀市大津町4−22−22
・京浜急行久里浜線「新大津駅」より徒歩5分
・京浜急行浦賀線「京急大津駅」より徒歩10分
・お車でお越しの際は神社内参拝者用駐車場をご利用の上、受付までお申し出つけください。月極駐車場とお間違えがないか確認させていただきます。


