ヨコスカアートアワード2024 高校生プラン受賞作品展2025年3月24日(月)〜4月6日(日)10:30〜18:30※会期中無休、3/24(月)のみ15時から開廊
ヨコスカアートセンターでは「ヨコスカアートアワード2024高校生プラン大賞グランプリ」を受賞された井堀木茉子氏・百(ビャク)氏・理﨑志穂氏の3名による受賞作品展を開催します。
本展覧会は、井堀木茉子、百、理﨑志穂の高校生3名による、それぞれの思いや挑戦が詰まった作品を展示します。
井堀にとって作品は、「愛おしく、そして憎い」存在です。本当に作りたいものを作ることへの恐れと向き合いながら、作品の中で破壊と再生を繰り返し、自身の内面を封じ込めるように制作を続けています。
百は、高校三年間の努力の結晶として、「輪郭」というテーマに向き合います。制服という身近なモチーフと、独自の線の表現を融合させることで、物理的な境界だけでなく、自己認識や個性の確立を問いかける作品を制作しました。
理﨑は、「部屋に飾りたくなる絵」を目指し、彩度の高い色彩を駆使しながら、作品を愛してくれる人との出会いを待ち望んでいます。制作の過程では悩みや葛藤があるものの、鑑賞者には作品から明るい空気を感じ取ってもらいたいという思いを込めました。
三者三様の視点と表現が交わることで、新たな意味が生まれます。それぞれが異なる背景やテーマを持ちながらも、一つの空間で共鳴し合い、より深い対話を生み出します。井堀の作品が持つ内省的な葛藤と、理﨑の色彩豊かな絵画が放つ明るさは、対極にあるようでいて、どちらも「作品に込めた思い」を大切にする姿勢を共有しています。一方で、百の「輪郭」というテーマは、井堀の切り絵が持つ繊細な線の構成や、理﨑の絵の中に表れる色彩の境界と重なり合い、異なる技法でありながらも「境界を意識する」という共通点を持っています。
本展では、異なるアプローチを持つ3名の作品が一つの空間で共存することにより、それぞれの表現の背景や思想がより際立ち、新たな意味を生み出します。そして、生きているがゆえに打ち続ける彼女たちの脈動は、支えられ守られてきたものから離れ、この春、自らの力でその鼓動を感じながら、一歩を踏み出し、大きく変化していくでしょう。
トリニティ・女子高生アーティスト3名Podcast
現在展覧会開催中の女子高生アーティスト3名による作品やアートについてなど等身大の声で語るPODKCASTを配信開始しました。ぜひご視聴ください。
配信サイトはspotify、Youtube等で順次拡大していきます。
女子高生アーティスト3名:
・井堀木茉子
生き物を題材に切り絵、ワイヤーアート作品を制作する高校一年
・百
絵画を主とし、パフォーマンス、インスタレーション、映像、写真など幅広い表現方法を模索している高校三年
・理﨑志穂
アクリル絵の具や岩絵具を使い、色鮮やかな色彩で絵を描く高校三年
私たちは、ヨコスカアートアワード2024高校生部門を受賞し、現在ヨコスカアートセンターで、グループ展「トリニティ 脈動の解放」を開催しています。このPodcastでは、グループ展のメンバーによるトークや、展覧会の舞台裏をお届けします。
皆様がギャラリーに足を運ぶきっかけになれば幸いです。全員未経験のPodcast、温かく見守ってください。
#1「トリニティ脈動の解放」
「トリニティ・女子高生アーティスト3名Podcast」初回です!今回は百と理﨑がお届けします。展覧会タイトルの由来、作品搬入など、内容盛りだくさんです。少し緊張している初めてのPodcast、ぜひお聴きください!
#2【focus】〜女子高生アーティスト井堀木茉子〜
今回は高校一年、井堀の作品について百がとことん聴きました。展示中の作品について、モチーフである動物の話、これからやってみたいテーマなどを深掘りしました!ぜひお聴きください。
私にとって切り絵は愛おしいものであり、憎い。いままで私は私の本当に作りたい作品が周りから批評され、馬鹿にされるのが怖く、「魔法」などと謳い、綺麗な作品ばかり制作し、少しの抵抗として魔法が溶けることを意味する溶かす表現を入れた。だがそれをしても作品に嫌悪感を抱く。そんな私の弱い作品を破壊することで自分自身の気持ちを消化するが、それを残したいと思い封じ込めてしまう。そんな切り絵が私は愛おしく憎い。
高校三年間、美大合格を目標にひたすら努力を重ねてきた。学校の美術室は高二の頃ほぼ毎日通い、気づけば半分家のような存在になった。予備校にも通い、たくさんの絵を描いた。そんな日々の積み重ねの中、なんとか目標を達成した。しかし受験が終わり、たまたま挑戦したこの「ヨコスカアートアワード」で私が受賞者に選ばれたとき、三年間の努力が報われたような気がした。
今回の作品では、高校生の今だからこそ表現できるものを考えた。身近な存在である制服を使った作品を制作すること。そして、何もない平面に線が見えるという、自分だけの特性を生かした絵画を描くこと。この二つの要素が初めて同じ空間に展示されることで、自分自身へ課したテーマである「輪郭」へとつながっていく。
「輪郭」とは、物理的な形を形成する境界線であり、同時に人間の内面や思考、存在そのものの境界を象徴し、自己認識や個性の確立を意味する。今回の展覧会では、まさにこの「輪郭」を解放し、これまで自分が築いてきたものを新たな視点で見つめ直す機会にしたいと思う。そして、その先にある新しい自分を発見し、さらなる創作へと繋げていくことが、私にとっての新たな一歩である。
「部屋に飾りたくなる絵」を目指して制作中です。絵というものは愛され、大切にされ、飾られることに意味があると思っています。絵を描いている間は、悩んだり自分の絵のことが嫌いになってしまうことも多々あります。そのため、描いているときの暗い私の側面を鑑賞者に気付かせるのではなく、作品から受ける明るい空気を感じとって貰いたいのでわざと彩度の高い色を多様することが多いです。まだまだ道のりは遠いですが作品を愛してくれる素敵な人との出会いを心待ちにしております。
また、今自分の中でもかなりの大作を作っている最中なので作っている中で思い付いた表現や大切にしたい!と思っている気持ちなどをこのグループ展で出していけたらいいなと思っています。一緒に展覧会を作っていく井堀さん、百さんと頑張っていきたいです。
ヨコスカアートアワード2024
<主催>
art contacts(ヨコスカアートセンター運営)
株式会社コトマノ
<協力>
上町商店街連合会
株式会社タウンニュース社横須賀支社
<後援>
横須賀市
横須賀市教育委員会
神奈川文化プログラム認証