ヨコスカアートアワード2024受賞者が決定しました。自由表現プランは大谷理佳子さんが受賞、三浦半島プランは草山歩さんが受賞、そして高校生プランは井堀木茉子さん、百さん、理﨑志穂さんの3名が受賞しました。(以下、順不同、敬称略)

自由表現プラン受賞

大谷理佳子 Rikako Otani

展覧会プラン「wave」

溢れる情報やモノたちが押し寄せる毎日。自分の大切を見失っていることさえ忘れているかもしれない。波間に覗く何かを掬い上げる心の余白を持っていたいと思う。日々消費される段ボールの波面は、生活の中にある波のようだと感じた。波面に糸で波縫いを施す。大きな広がりも小さな一目の幾多の重なりによるものだ。段ボールの身近な素材としてガムテープも用いる。ガムテープに歌詞を手書きする。言葉のうねりも波のように見える。段ボールの中を覗くと映像が見える。ガムテープに書かれた歌詞を歌った歌と共に、作品に用いられた素材を組み合わせた映像が展開する。それぞれが交錯しあって一つの空間の中で波を体感できる展覧会にしたい。

1998年兵庫県生まれ。2022年武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科卒業。2024年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程修了。生活の中で感じた違和感や不思議さから立体、音楽、映像を組み合わせたインスタレーション作品を制作している。2023年 第7回新世代賞観客賞受賞。

2024年 令和5年度東京藝術大学卒業修了作品展(東京藝術大学、東京)
2023年 WIP展(東京藝術大学、茨城)
2022年 ATLAS展(東京藝術大学、茨城)
2022年 Introduction展(東京藝術大学、茨城)
2022年 令和3年度武蔵野美術大学卒業修了制作展(武蔵野美術大学、東京)
2021年 個展 カモフラージュ(武蔵野美術大学、東京)
2021年 uchi=uchu(大島貸民家プライベイト、東京)
2021年 個展 TIME(代々木公園、東京)
2021年 大福(吉祥寺錆猫ギャラリー、東京)
2020年 百円百価展(武蔵野美術大学、東京)

大谷理佳子 展示プランおよび過去作品

三浦半島プラン受賞

草山歩 Ayumi Kusayama

展覧会プラン「草山歩個展 5分だけでもいい」

私は神奈川のローカル企業(県内各所に拠点がある地元新聞社)に新卒で就職してから約14年、記者の仕事で地元の人たちから文化や歴史について聴き、休日は地元に関する絵を描き、二足のわらじで地域と向き合ってきた。ライフワークは、県内地域を題材にしたご当地イラスト。中でも三浦半島は特に思い入れが強いエリアである(仕事で担当したことや壁画を描いたこともある)。今回、地域で初個展を開き、地域の人たちが語る「三浦半島」の記録を聞き取り、アートという形で残したいと思った。既存の作品を壁に並べるほか、来場者が思う三浦半島のモノやコトについてその場で聞き取り、イラストにして展示する「参加型パフォーマンス」を行う。難しい理念は掲げず、三浦半島の人たちに「やっぱり地元っていいね」「地元にも、まだまだ知らない魅力があるんだね」と感じてもらうことを目指す。作品制作にあたり制作協力者募集のお願い。

1988年生まれ、神奈川県厚木市出身。2011年青山学院大学文学部卒業。大学在学中からイラストレーターとして活動したのち、神奈川新聞社に記者職で就職。以来〝二足のわらじ〟で、公募型コンペを中心に作品を発表している。ライフワークは「イラスト×地域活性化」。地域について綿密に調べた上で、可能であれば実際に訪ね、歩き回って写真を撮り、イラストにまとめるスタイルで制作している。神奈川県内を扱った主な作品に「横須賀市の大型壁画『スカジェニポップ』デザイン」(2022)、「鎌倉ビール限定ラベル『湘南の休日』デザイン」(2023)、「Fm yokohama情報誌『STATION BREAK』表紙デザイン」(2012)など。新聞社では県警担当、足柄下郡取材担当、遊軍、「横須賀・三浦版」のレイアウト担当などを経験。2019年からは読者投稿欄の編集をしながら、県内各地の読者を訪ねるインタビュー企画を続けている。新聞記者としての受賞歴に、JCJ賞(2016、取材班名義)、ファイザー医学記事賞(2018、他1人と連名)がある。

2024年 神奈川県横浜市・鶴見小野エリア「鶴見パブリックアートプロジェクト」参加、商店街でシャッターアート制作
2024年 神奈川新聞×江ノ島電鉄「プレイバックえのでん」挿絵、デザイン、編集、レイアウト
2024年 神奈川県横浜市・株式会社イージェーワークス主催「SHONAN NFT アートコンテスト」優秀賞
2024年 神奈川県横浜市・日吉商店街主催「日吉アートコンテスト」優秀賞
2023年 神奈川県横浜市・株式会社イージェーワークス主催「SHONAN NFT アートコンテスト」鎌倉ビール賞
2022年 山口県萩市・萩城下町マラソン大会実行委員会主催「萩城下町マラソン2022参加記念ロゴマークコンペ」最優秀賞
2022年 東京都青梅市・青梅青年会議所主催「看板デザインコンペ」最優秀賞
2023年 神奈川県横浜市・株式会社イージェーワークス主催「SHONAN NFT アートコンテスト」優秀賞
2022年 神奈川県横浜市・日吉商店街主催「日吉アートコンテスト」優秀賞
2022年 神奈川県横須賀市主催「よこすか海岸通りストリートキャンバスウォールアート(デザインコンペ)」最優秀賞
2015年 神奈川県小田原市・柳屋クリーニング店「壁画制作プロジェクト」参加、オリジナルTシャツデザイン
2013年 宮城県石巻市・こどもみらい通信社「石巻日日こども新聞」一面記事下広告デザイン
2012年 福島県主催「福島県産品復興支援クレジットカードデザインコンペ」最優秀賞
2012年 神奈川県横浜市・Fm yokohama主催「STATION BREAK 表紙デザインコンペ」最優秀賞
2006年 まんが甲子園支援プロジェクト主催「まんが甲子園ブックバージョン」牧野圭一賞

草山歩 展示プランおよび過去作品

高校生プラン受賞

井堀木茉子 Komako Ihori

展覧会プラン「魔法切り絵展」

切り絵は古典的技法のイメージが持たれやすいですが、繊細な表現が出来たりハートやリボンの形を入れてみたり溶かしてみたりと、かわいい雰囲気に出来たり細かい表情を多めにし、かっこいい雰囲気にするなどと、切り絵には色々な表現の方法があるのを知って貰い、切り絵にもっと興味を持ってもらいたいです。実際に切り絵を作ってみたり、絵を描くだけではない美術に触れてもらいたいです。最終的にはこのグループ展を通して沢山の人に新しい切り絵の表現作品を見てもらって切り絵にある更なる可能性を感じて欲しいです。

2008年生まれ。2022年に切り絵に出会い切り絵の表現方法の豊かさに惹かれ切り絵の制作を開始。魔法、溶かすなどの今までにない表現を切り絵と掛け合わせています。また、どこか悲しそうな表情をしている動物達だからこそ見入ってしまうような作品を制作。

2023年 第58回神奈川県美術展中高生特別企画展 入選
2024年 第59回神奈川県美術展中高生特別企画展 入選
2024年 第25回高校生国際美術展 佳作
2024年 第3回アーティストデビュー展 審査委員特別賞

井堀木茉子 展示プランおよび過去作品

高校生プラン受賞

百 Byaku

展覧会プラン「輪郭」

進路も決まり、高校最後に個展にチャレンジしたいと思った。テーマは「輪郭」。女子高生にとって制服とは武装であり身を纏う鎧のようなものである。制服のスカートが解けるその時、自分の武装が取れ新しい人物として変化する。高校三年の今、私は大学生に向けて必死に変わろうとしているのだ。この展覧会では自分自身の輪郭を解いて、再構築したいと考えている。

2006年神奈川県生まれ。現在高校3年生。幼稚園年中の4歳から小学校3年生まで徳島県で過ごし、神奈川県に戻ってくる。高校卒業後、東京都内の美大に進学予定。絵画を主とするが、パフォーマンス、インスタレーション、映像、写真など幅広い方法を使って自己の表現模索している。生と死、繋がり、そしてその思考の中から生まれる感情をテーマに作品制作している。趣味は美術館めぐり、日本庭園鑑賞。

2024年 高等学校美術展出品
2024年 YSCC24(ヨコハマ・中高生・クリエイティブ・コンペティション・2024)展示、佳作受賞
2023年 高等学校美術展出品

百 展示プランおよび過去作品

高校生プラン受賞

理﨑志穂 Shiho Risaki

展覧会プラン「週末、終末」

高校という箱の中から卒業するにあたって実績をつくりたい、そしてなにより私の作品を色んな人にみてもらい、もっと自分自身に自信を持てるようになりたい!と強く思い応募を決めました。初めて個展に挑戦するので正しい答えや取り組み方が分からないのですが、私は来てださった方々に実際に作品を触ったり写真を撮ったり………なにか体験できるようなことをやってみたいなと少し考えてたりしています。実際に、展覧会を開く!となったとき私の作品は絵本のような世界観が見所だと思います。そこで普段はアートギャラリーなんて入りにくいよー!といった小学生や私と同じ高校生などをターゲットにして初めて入ったけどなんだか楽しかったな、と思って貰えるような空間作りをしたいです。

2006年埼玉県生まれ、2021年女子美術大学付属高等学校入学、2022年デザインコース専攻へと進む。アクリル絵の具を中心に制作を進めており、色鮮やかな色彩を好む。卒業に向けて作品を制作中。

理﨑志穂 展示プランおよび過去作品